ビットコインなどの中央管理者のいない仮想通貨は銀行のように保有資産を守ってくれる存在がおらず、全て自己責任で安全に管理しなければいけません。ここでは仮想通貨を安全に保管する為に出来る事を初心者の方にも分かりやすく解説をしていきます。
0.知識をつける
まず、仮想通貨を扱う上で必ず行わなければならない事は「知識をつける」という事です。仮想通貨はどのような仕組みで動いているのか、仮想通貨が盗難されるという事はどういう事なのか、取引所とウォレットの違いは?など知らなくてはいけない事は沢山あります。
まだ仮想通貨の事について不安がある方はまずこちらビットコイン初心者入門ページで仮想通貨の基本であるビットコインについて学んでから保有するようにしましょう。特に知識をつけず儲かり話を聞いて多額の仮想通貨を保有する事は絶対にしないようにしましょう。
1.2段階認証設定を行う
仮想通貨取引所を利用する際は必ず「2段階認証」という設定を行いましょう。2段階認証とはログインや資産を取引所から取り出す場合に、例えばパソコンとスマホなど2つの端末で認証をしなければ操作できないようにするセキュリティ設定の事を言います。
仮に取引所アカウントのIDとパスワードが盗まれてしまっても2段階認証を行っておけばスマホなど他の端末での認証が必要になるのでスマホが盗まれていない限り、第三者にログインを許す事が無くなります。
ほとんどの国内取引所では2段階認証を設定する事ができますので必ず設定するようにしましょう。参考:2段階認証はビットコイン初心者必須セキュリティ!
<各取引所の2段階認証設定方法>
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2.複数取引所でアカウントを作成しておく
取引所は1つだけで利用しているとサービス停止などの事態が発生した際に持っている仮想通貨を売買できなくなる事があります。その為、仮想通貨取引所のアカウントは最低でも2つ以上保有しておくことが望ましいでしょう。
例えば取引所ではなくウォレットに仮想通貨を保有していて、取引所で事故などが起きてしまい売買サービスが停止したとします。その際1つだけの取引所で売買をしていると仮想通貨を売りたくても売る事が出来なくなります。他の取引所のアカウントをそこから作成すると本人確認までに数日~数週間かかる事がありスピーディに対応できなくなります。
ですのでメインで利用する取引所とは別にサブで複数の取引所アカウントを持っておきましょう。操作方法もそれぞれの取引所であらかじめ確認しておくことも重要です。
3.秘密鍵が何かを知る
仮想通貨を送金できる唯一の暗号が「秘密鍵」というものです。秘密鍵については確実に理解しておきましょう。秘密鍵とは仮想通貨を移動させる事のできる唯一の暗号です。仮想通貨を保有しているという事は秘密鍵もそこに存在している事になります。
秘密鍵は通常取引所を利用している場合取引所が管理しているのでユーザーが目にする事はありません。ですが、取引所が管理している為ハッキングを受けて秘密鍵が流出してしまった場合はユーザーは仮想通貨盗難を防ぐ事ができない事も意味しています。
ウォレットという仮想通貨をしまえる財布のようなものを自分で管理する場合秘密鍵を目にします。難しい事を理解するのは一朝一夕ではできませんが「秘密鍵」という存在が仮想通貨を移動できる唯一の暗号である事は必ず知っておきましょう。
例:ビットコインの秘密鍵
Kz8LiZ5D2vLQECBh4pYL1QPUG5JJyHbnDd8SV9jU9v4q5ryBpNEM
4.コールドウォレットを用意する
取引所はあくまで取引所であって仮想通貨を保管する保管所ではありません。銀行や証券会社と同じだと思わない事が重要です。
その為仮想通貨はコールドウォレットと呼ばれるオフラインで管理するウォレットに保管しておくことが推奨されています。ウォレットにはオンラインで管理するホットウォレットとオフラインで管理するコールドウォレットと呼ばれる2種類が存在します。
コールドウォレットに仮想通貨を保管しておけばネット上でハッキング被害に合う可能性は無くなります。ただし先述した「秘密鍵」を自身で管理する必要がある事など、一定の知識が無くては逆に仮想通貨を失ってしまう事になりかねませんので注意してください。
コールドウォレットは紙で管理できるペーパーウォレットと呼ばれるものとハードウェア端末で管理するハードウェアウォレットに大別されます。ペーパーウォレットは無料で利用できますがインクの劣化などのリスクがあります。ハードウェアウォレットが最も安全な管理方法と言われています。
参考:ビットコイン取引所からペーパーウォレットへの入金方法!
<コールドウォレット>
ペーパーウォレット・・・ペーパーウォレットの作り方・使い方完全ガイド
ハードウェアウォレット・・・TREZORとは <初心者向け使い方ガイドページ>
<ハードウェアウォレット機能早見表>
名称 | BTC | ETH | 対応仮想通貨数 | 言語 | 秘密鍵 | 復元 | 価格※ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
TREZOR | 〇 | 〇 | 7 | 日本語 | 〇 | 24語 | 約1万1千円 |
LedgerNano(絶版) | 〇 | - | 2 | 日本語 | 〇 | 24語 | - |
LedgerNano S | 〇 | 〇 | 19 | 日本語 | 〇 | 24語 | 約8千5百円 |
※amazon.co.jpによる参考価格(変動する事があります)
5.アップデートを行う
仮想通貨はたまに仕様が変更される為アップデートが行われます。取引所に預けている場合は取引所が勝手にアップデート対応をしてくれますがコールドウォレットで保管している場合などは自身でコールドウォレットのアップデート対応操作をしなくてはなりません。
もちろん技術的な事は利用しているウォレット運営が行ってくれますがハードウェアウォレットなどでは一度復元作業が必要になります。その為ウォレットを復元する方法を理解しておかなくてはなりません。ハードウェアウォレットでは多くの場合復元パスフレーズと呼ばれる複数の単語を用意しておくことで復元する事が可能ですがパスフレーズを忘れてしまった場合などはアップデートを行えなくなってしまう可能性もありますので注意が必要です。(参考:秘密鍵と復元パスフレーズ)
既に述べていますが、とにかく仮想通貨を安全に管理する為には知識が必要不可欠であるという事です。
以上が仮想通貨を安全に保管する為に最低限行っておくべき5つの事です。仮想通貨では紛失事故が絶えません。自由に送受金できる代わりに自己責任の世界ですので安全に仮想通貨を扱っていく為にしっかりと知識をつけておきましょう。
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