プルーフ・オブ・ステークとはいくつかの仮想通貨で使用されるシステム(ルール)の一つです。有名なところではイーサリアムに最終的に採用されるルールです。(現在はイーサリアムはプルーフ・オブ・ワークを採用)
ちなみにビットコインでは「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」というシステムが採用されております。プルーフ・オブ・ステークについて知る前にまずプルーフ・オブ・ワークについて理解しておくといいでしょう。(参考:プルーフ・オブ・ワークとは)
プルーフ・オブ・ステーク(PoS)はそんなプルーフ・オブ・ワークの問題点をいくつか解決するシステムとも言われます。プルーフオブステークについて初心者の方にも分かりやすく解説をしていきます。
プルーフ・オブ・ステークとは
まず、プルーフ・オブ・ステーク(以下、PoS)という言葉を訳してみます。
プルーフ(proof)・・・「証明」
オブ(of)・・・「の」
ステーク(stake)・・・「掛け金」
⇒「掛け金の証明」
と訳す事ができます。
ステークという言葉には「掛け金」という意味があり、PoSという言葉を直観的に理解するのであれば「その仮想通貨にいくら掛け金を払っているか」⇒「その仮想通貨をどのくらい持っているか」という意味として理解する事ができます。
つまり、簡単に言えばPoSとは「その仮想通貨を持っている割合」の「証明」ということになります。プルーフ・オブ・ワーク(以下、PoW)がその名の通り「仕事量」を「証明」するルールだったのに対しPoSは「保有量」を「証明」するルールとなります。
言葉の意味を知ったところで、次はPoSが仮想通貨のどの場面で利用されるのかを説明します。
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プルーフ・オブ・ステークの使われる場所
PoSというルールはPoWと同じ場面で使われます。
つまり仮想通貨のブロックチェーンを作成する過程で採用されるルールとなります。
PoWは「仕事の証明」なので最も仕事をした参加者がブロック作成権限を持つ、というルールです。
それに対しPoSでは「掛け金の証明」なので最も保有をしている参加者がブロック作成権限を持つというルールになります。(保有している=作成という単純なものではありませんが、概念を説明する為に簡略化しています。)
ブロックチェーンを作成する過程で不正なブロックが作成されないようにする為、一定のルールの元参加者はブロック作成を行っていきます。
プルーフ・オブ・ステークのメリット
PoSにはPoWに比べてどのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは複雑にしない為、簡略化して解説します。
まずビットコインで使われているPoWにはこんな問題点があります。
PoWの主な問題点
・ブロック作成に消費電力がかかる(PoWで定義されている「仕事」は電気代を消費してしまう ※参考マイニングの消費電力はどのくらいか ビットコイン普及の課題)
・取引処理能力の向上が困難(参加者のパワーが大きくなればなるほど仕事(計算)が複雑になる)
このようなPoWの問題に対しPoSでは
PoSで解決されるPoWの課題
・計算が少なくて済む(PoSのブロック作成権限は保有量だけで決まる訳ではありません。計算も多少必要です)ので電気代が異常にかかってしまうことを防ぐ
・計算が少なく、保有量が主な参考点なのでブロック作成が早くなる可能性がある
という解決策があるのです。
まとめ
以上がプルーフ・オブ・ステーク(PoS)の簡単な説明です。
もちろん、PoSにもまだ問題点はあります。例えば保有量によって金利が発生するような仕組みになってしまうので長期保有者が増えて市場の流動性が低くなる事や「富める者が富む」状態になってしまう恐れがあります。
最初にも述べた通りイーサリアムでは現在PoWが採用されていますが、後にPoSに変更される予定です。そこでイーサリアムではPoSの問題を解決する案が次々と出されています。(参考:イーサリアムとは)
様々な仮想通貨でビットコインの技術以上の革新性を出す事が試みられています。是非多くの技術的な事を含めて学んでいただければと思います。
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