ポルカドットの仕組みをわかりやすく解説!リレーチェーン/パラチェーン/バリデーター/ノミネーターetc.を理解する

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Web3.0の実現を目指すプロジェクト「ポルカドット(Polkadot)」。ポルカドットの仕組みを、初心者の方にもわかりやすく解説します。リレーチェーンやパラチェーン、バリデーターやノミネーター、ステーキングなど、ポルカドットについて調べるとよく出てくる用語を、どこよりもわかりやすく説明します。

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ポルカドット(DOT)とは?

ポルカドットは、ブロックチェーン技術を基盤とした仮想通貨やサービスをつなぎ、「Web3.0」と呼ばれる新たなWeb世界の実現を目指すエコシステムです。また、そのプロジェクト全体を指してポルカドット、とも呼びます。

非常にわかりやすく、そして簡単に言うと、ビットコインやイーサリアムなどのブロックチェーンのプラットホームになることを目指したプロジェクトです。

ポルカドットとは
ポルカドットとは

イーサリアムを共同で創設した、ギャビン・ウッド(Gavin Wood)氏らによって2016年に考案されました。実際の稼働は2020年5月から開始されています。

2021年現在、仮想通貨やブロックチェーンはそれぞれ独立して存在しているため、同じ土俵で利用することが困難です。例えば、ビットコインとイーサリアムは異なるブロックチェーン基盤の仮想通貨のため、イーサリアムの送金手数料の支払いにビットコインを利用することは通常できません。

しかし、ポルカドットが両者を結ぶことで、イーサリアムの送金手数料支払いにビットコインを利用できるようになる、などが実現し、今まで離れていたブロックチェーン同士が相互に利用できるようになります。すると今まで実現しなかった、異なるブロックチェーン同士を利用したアプリケーションの構築などが可能になります。

まだ始まったばかりのプロジェクトのため、未知数なところもありますが、開発コミュニティも人数が増えてきており、今後が期待されているエコシステム・プロジェクトです。

 

ポルカドットの通貨「DOT」とは

ポルカドット内で発行される仮想通貨は「ポルカドット(DOT)」と呼ばれ、仮想通貨取引所で購入することができます。他の仮想通貨と同様に、市場での需要と供給によって価格が上下します。2021年現在では、総供給量(発行上限)約10億のDOTが市場でやり取りされています。

ポルカドット(DOT)は、ポルカドットの仕様を決める投票権や、セキュリティを維持する役割を担っており、ポルカドットが稼働していく中では非常に重要な存在です。

ポルカドットの価格
ポルカドットの価格(出典:https://coinmarketcap.com/ja/currencies/polkadot-new/)

ポルカドットは、2021年6月時点ですでに時価総額は2兆4千億円(仮想通貨第9位)になっています。ポルカドットの開発が進む、取引所への上場が決まるなどのニュースが発表されるとDOTの価格は上昇します。逆に国の規制対象となったり、開発が遅れたりすると価格が下落する可能性があります。

今後の予定では、「パラチェーンオークション」と呼ばれる、ポルカドットにつながれるブロックチェーンプロジェクトのオークションが開催されます。そのオークションでは、実際にポルカドットに繋がれるブロックチェーンプロジェクトがどのようなものか知ることができ、さらにポルカドット(DOT)も参加に必要となる予定のため、価格が上昇する可能性があります。

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ポルカドットの仕組み

ここからは、ポルカドットの仕組みについて解説していきます。全体像、チェーン、参加者という順番で説明をします。

 

ポルカドットの全体像

ポルカドットは、異なるブロックチェーンを繋いだり、処理スピードの問題を解決したりして、ブロックチェーン基盤のサービスの利便性を向上し、開発も行いやすくするエコシステムです。有名な仮想通貨であるビットコインやイーサリアムとは、少し異なった仕組みになっています。

ビットコインは「決済システム」というように、ユーザーにとってわかりやすい利用目的がありますが、ポルカドット自体に私たちエンドユーザーにとってのわかりやすい利用目的は特にありません。ポルカドットは、ビットコインやイーサリアムなどの独立したブロックチェーンシステムをつなぐ、という目的のために存在しており、ポルカドット自体にはエンドユーザーが利用できるような機能は特にないのです。

つまり、ブロックチェーン開発者のためのハブ(中継地点や接続部分)として存在しているため、あくまでポルカドットはそれらブロックチェーンをつなぎ、問題を解決するとともに、ブロックチェーン技術を次の段階へ進める、という役割を担っているだけなのです。

ポルカドットに繋がれたイーサリアムの上のアプリケーションの利便性が上がるなどすることで、ポルカドットは間接的にエンドユーザーへ価値を提供します。ポルカドットのように、異なるブロックチェーン同士をつなぎ、全体として円滑に機能するようにするための技術を「インターオペラビリティ」と呼びます。そのインターオペラビリティの実現をポルカドットは期待されています。

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ポルカドットとは
ポルカドットとは

ポルカドットのような、ブロックチェーンシステムのハブとなる存在が必要な理由は、ブロックチェーンの課題にあります。ブロックチェーンには、いくつかの課題があり、一つはすでに述べたようにそれぞれのブロックチェーンシステムが独立して運営されており、相互運用ができないことです。

また、ビットコインやイーサリアムなどのブロックチェーンでは、処理スピードに問題があります。特定の運営者がいないブロックチェーン(パブリックブロックチェーンと呼ばれます)では、処理スピードに限界があると言われているのです。それぞれのブロックチェーンの開発者はこの課題を解決しようと試みていますが、なかなか難しいのが現状です。

他にもブロックチェーンはゼロから構築するのが非常に大変、という課題もあります。特にパブリックブロックチェーンでは、そのブロックチェーンに参加してくれる人の数が一定以上にならなければ、セキュリティを保つのが難しく、攻撃されてしまうなど、コミュニティが成長するまでの間に様々な困難が待ち受けています。

ポルカドットではブロックチェーンをつなぎ、これらの課題を克服しようと試みています。そのために、特徴的な構成(仕組み)が採用されています。構成は4つに分けることができ「Relay Chain(リレーチェーン)」「Parachains(パラチェーン)」「Parathreads(パラスレッド)」「Bridges(ブリッジ)」と呼ばれています。パラチェーンとパラスレッドは機能が似ているため、それらを一つに分類し、3つの要素で分けて説明されることもあります。

ポルカドットとは
ポルカドットの構成(出典:https://medium.com/polkadot-network/parathreads-pay-as-you-go-parachains-7440d23dde06)

現在は本体部分のリレーチェーンが作成されており、今後パラチェーンオークション(パラチェーンに接続されるブロックチェーンを選出する入札)などを通じてパラチェーンが繋がれ、増えていく予定となっています。

これら4つの要素の中で、ポルカドットの参加者たちはポルカドット内に不正がないかをチェックしたり、処理記録を作成していきます。ポルカドットの参加者は「Validator(バリデーター)」「Collator(コレーター)」「Nominator(ノミネーター)」「Fisherman(フィッシャーマン)」という4つの役割のどれかになることができます。それぞれが異なる役割を持っており、その役割の下、ポルカドットネットワークの正常運転に貢献することで報酬を得ることができます。

ポルカドットのネットワークは4つの部門で構成されており、これら4つの役割を持つ参加者が動作の確認、そして参加者の合意を取ることでポルカドットネットワークを正常に保っています。

ポルカドットの仕組み
ポルカドットの仕組み

 

4つの構成要素

ここからは先述したポルカドットの4つの構成要素「Relay Chain(リレーチェーン)」「Parachains(パラチェーン)」「Parathreads(パラスレッド)」「Bridges(ブリッジ)」について解説をしていきます。4つの要素は簡単に言うと以下のような役割を持ちます。

名称 役割
リレーチェーン ポルカドットの中核を担うチェーン
パラチェーン リレーチェーンに繋がり、独自の特色を持つチェーン
パラスレッド リレーチェーンに繋がり、ポルカドットへ一時的な参加をするチェーン
ブリッジ 別のチェーンをパラチェーンやパラスレッドに繋ぐ要素

下の図にそれぞれの要素がイメージとして描かれています。

ポルカドットとは
ポルカドットの構成(出典:https://medium.com/polkadot-network/parathreads-pay-as-you-go-parachains-7440d23dde06)

ポルカドットの中心に半円で描かれたリレーチェーンがあり、そこにパラチェーンとパラスレッドが繋がれています。ブリッジは一番左にある「Parachain Bridge Slot」の部分でOther Blockchain、つまりビットコインやイーサリアムなどと繋がるイメージが描かれています。

 

リレーチェーン

リレーチェーンとは
リレーチェーンとは

リレーチェーンはポルカドットの中心となるチェーンで、ポルカドット全体やパラチェーン・パラスレッドのセキュリティを担保しています。「Relay」という単語が使われているように、複数のブロックチェーンの「中継」となる存在です。

リレーチェーンはブロックチェーンの中継となる存在であるとともに、ポルカドット本体とも言えます。ポルカドットが特徴的なのは、ポルカドットの本体であるリレーチェーンには「スマートコントラクト」と呼ばれるプログラムをデプロイ(展開する)ことができない、という点です。つまり、ポルカドットのリレーチェーンは中継だけを行う存在で、一般的なエンドユーザーが利用するようなアプリケーション(例えばゲームやDeFiなど)を構築することができません。

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イーサリアムなどでは、イーサリアム上にアプリケーションを構築することができるため、イーサリアムがあれば開発者はイーサリアム上に独自のサービスを作ることができます。しかし、ポルカドットは中核となるリレーチェーン単体では、特にユーザーが使えるようなサービスは作ることができません。それらのアプリケーションは、リレーチェーンに繋がれた他のチェーン「パラチェーン」「パラスレッド」などで展開されます。

ただ、リレーチェーンはポルカドット全体のセキュリティを担保しているため、リレーチェーンに繋がれたパラチェーンやパラスレッドはリレーチェーンのセキュリティに依存します。セキュリティのことを考えずに、パラチェーンとなるブロックチェーンで優れたアプリケーションを開発者が構築できます。そのような環境を提供するのが、リレーチェーンの一つの役割です。以上のことから、ポルカドットはブロックチェーン開発者に向けて作成されたエコシステムだと言うことができます。

リレーチェーンでは他にもポルカドットの仕様を決定する「ガバナンス」や、パラチェーンになるブロックチェーンを決めるオークションである「パラチェーンオークション」などのシステムが搭載されています。セキュリティをどのように担保しているかは、後述する「参加者の4つの役割」を見ていただければと思います。

 

パラチェーン

パラチェーンとは
パラチェーンとは

パラチェーンはリレーチェーンに繋がるブロックチェーンです。「Parallel(パラレル)」、つまり「並行」しているチェーンということから、その名がつけられています。ポルカドットでは、このパラチェーンがエンドユーザーの利用できるアプリケーションとして開発される、またはこのパラチェーン上にアプリケーションが構築されていくことでエコシステムが拡大していきます。

パラチェーンを理解する上では、実際のパラチェーンを知るといいでしょう。

例えば、現在パラチェーンとして有力視されている「Acala」というプロジェクトがあります。このAcalaはパラチェーンとしてポルカドットに繋がる予定です。Acalaでは、米ドルとペッグされた「aUSD」というステーブルコインを発行したり、DEX(分散型取引所)などが提供されます。つまりDeFiのハブのような存在になります。

ポルカドットの本体であるリレーチェーンでは、DeFiを構築することはできませんが、パラチェーンである(予定の)AcalaでDeFiを構築することができるのです。このようにパラチェーンはポルカドットのエコシステムの中で、実際にプロダクトとしてユーザーにサービスを提供する立場になります。

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パラチェーンになると、リレーチェーンのセキュリティを享受できるのがメリットです。独立したブロックチェーンでは、セキュリティを強化していくためにはセキュリティを向上してくれる参加者が多く必要になるなど、ゼロから構築していく場合には、いくつもの超えるべきハードルがあります。そこで、セキュリティをポルカドットのリレーチェーンが担保することで、パラチェーンはセキュリティについて考えることなくプロダクト開発に専念することができるようになります。

その代わりに、ポルカドットエコシステム内にパラチェーンはプロダクトを作り出す、という関係性になっています。なお、パラチェーンになるためには「パラチェーンオークション」と呼ばれるオークションに勝ち、「スロット」と呼ばれる枠を獲得しなければなりません。そのオークションには、ポルカドットの仮想通貨(ネイティブトークン)であるDOTが利用されます。オークションでは、DOTを長期間預け入れなければならない、というルールがあることなどから、ポルカドット側と個々のパラチェーン開発チームはWinWinの関係により成り立っていると言えます。

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パラチェーンの枠は現在100とされていますが、一回のオークションにつき1つのパラチェーンが選ばれていきます。また、2年でパラチェーンオークションで獲得した枠は一度満了するため、継続してパラチェーンになりたい場合には再度オークションで勝たなければなりません。そのため、パラチェーンになってからもパラチェーンは魅力的なプロダクトを開発し続けるインセンティブがあります。ポルカドットは、このパラチェーン次第でユーザーや開発者が集まるかどうかが決まる側面があるので、今後開催されるこのパラチェーンオークションには注目です。

ちなみにパラチェーンはリレーチェーンに繋がれているので、異なるパラチェーン間でメッセージや取引データ(トランザクション)などをやり取りすることができます。また、パラチェーンのセキュリティはポルカドットによって担保されていますが、動作処理や設計方法などは独自のものを採用することができます。その他、「Substrate(サブストレート)」と呼ばれる、ポルカドットが提供するブロックチェーン作成ツールを使って作成したチェーンは容易にリレーチェーンに繋げることができるようになっているなど、パラチェーンの開発環境は整っているため、開発者を引きつけています。

 

パラスレッド

パラスレッドとは
パラスレッドとは

パラスレッドはパラチェーンによく似ています。リレーチェーンに繋がるブロックチェーンで、パラチェーンと同様にポルカドットのセキュリティ恩恵を受けながら、アプリケーションを展開することができます。

パラチェーンとの違いは、リレーチェーンに繋げるために支払われる手数料です。パラチェーンは先述のように、オークションに勝ち抜くために、一定期間多額のDOTを預け入れる必要があります。しかしパラチェーンはそうではなく、手数料という形でリレーチェーンにDOTを支払うことでリレーチェーンに繋がれ、恩恵を受けることができます。つまり、サービスを年単位で契約するのがパラチェーン、使用毎に手数料を支払うのがパラスレッド、のようなイメージです。(実際には、パラスレッドもパラチェーンより少ない額のDOTをロックする必要があります。)

パラチェーンは、長い期間リレーチェーンと繋がった方がユーザーにとってプラスになるなどの理由からパラチェーンになることを目指しますが、パラスレッドはパラチェーンのように長期間繋がってなくてもいいと考えるチェーンがパラスレッドになることを目指します。例えば利用頻度があまり多くなさそうなチェーンや、一度パラチェーンになったけれど再度オークションに勝つことができなかったためパラスレッドに一旦なり、リレーチェーンとの繋がりを断たないようにするチェーン、などがパラスレッドになります。

パラスレッドはポルカドットのエコシステムに参入するハードルを下げる役割も担っており、エコシステム発展に貢献します。

 

ブリッジ

ブリッジとは
ブリッジとは

ブリッジはその名の通り、ポルカドット以外のブロックチェーンとの「架け橋」となります。ポルカドットエコシステム外で作成されている、ブロックチェーンネットワークをパラチェーンやパラスレッドにブリッジを用いて繋げることで、外のブロックチェーンとポルカドットを繋ぎます。

例えばビットコインやイーサリアムといったブロックチェーンは、独立したセキュリティや取引履歴などを持っており、独立した存在です。通常では、それらのブロックチェーンのトークンなどは他のブロックチェーンで使用することはできず、交わることはありません。しかし、ポルカドットのブリッジで繋ぎ、ポルカドットを介することでビットコインをポルカドットのパラチェーンで使用することや、イーサリアムをポルカドットパラチェーンのアプリケーションで利用することなどが可能になります。

ブリッジで繋ぐことができるのはビットコインなどのパブリックブロックチェーン(特定の運営者のいないブロックチェーン)に限らず、企業が開発するプライベートブロックチェーン(特定の運営者がいるブロックチェーン)なども対象になるため、多くのブロックチェーンのハブにポルカドットがなることができます。

 

参加者の4つの役割

次にポルカドットの参加者について解説していきます。ポルカドットは参加者が4つの役割に分かれています。「Validator(バリデーター)」「Collator(コレーター)」「Nominator(ノミネーター)」「Fisherman(フィッシャーマン)」という4つです。4つの役割を簡単に説明すると、以下のようになります。

名称 主な役割
バリデーター パラチェーンのブロックを検証する
コレーター パラチェーンのブロックを作成しバリデーターへ送る
ノミネーター 信頼できるバリデーターを選出する
フィッシャーマン ネットワーク内の不正を監視する

4つの役割を持つ参加者は、ポルカドットの仮想通貨であるDOTをポルカドットにステーク(預け入れる)ます。そのため、参加者が不正を行ったり、間違った行動を取ってしまったりするとステークしたDOTを没収されてしまうリスクがあります。正しい行動を常に求められ、DOTのセキュリティ向上に努めます。4つの参加者が働くことにより、先述したパラチェーンやパラスレッドのセキュリティは担保されます。

ステーク(預け入れ)をした参加者により、チェーン内の処理や記録が不正のないものかどうか合意が取られるため、ポルカドットはプルーフ・オブ・ステーク(PoS)という合意形成のシステム(コンセンサスアルゴリズム)が取られている、と言われます。さらにノミネーターと呼ばれる参加者が、バリデーターを選出することからノミネイテッド・プルーフ・オブ・ステーク(Nominated・Proof・of・Stake:NPoS)とも呼ばれます。(NPoSについては後述します)

 

バリデーター

バリデーターとは
バリデーターとは

バリデーターはリレーチェーンで活動しており、4つの役割のうち、セキュリティ上最も重要な役割を担っていると言われます。コレーターから送られてきたパラチェーンの処理に不正がないかの検証や、リレーチェーンで作られるブロックの合意を取るなど、セキュリティ上不正があっては非常にまずいポジションにいるためです。

バリーデーターは、ポルカドット(DOT)をステークしたり、「ノード」と呼ばれるネットワークの拠点となるポイントを立てる必要があります。ノードになるためには、ポルカドット内のデータなどを同期し続けなければならなりません。また、バリデーターになると常にオンラインでノードを接続していなければ罰則がある(ステークしているDOTを没収される。この罰則を「Slash(スラッシュ)」と言います。)などから、バリデーターになるには少しハードルがあります。

バリデーターはその代わり、正しい行動を取れば報酬(DOT)を受け取ることができます。このような経済的インセンティブから、ポルカドットで不正をせず正しい処理を行い続けます。

ただ、バリーデーターになるハードルが少し高く設定されているため、少数のバリデーターに権力が集中してしまう可能性があります。その集中を緩和するためにノミネーターによる選出が行われます。詳しくは後述しますが、ノミネーターはバリデーターにDOTをステーク(預け入れ)し、バリデーターは合計ステークDOTが多くなければ選出されない(報酬も受け取れない)仕組みになっているため、一部のバリデーターに権力が集中し不正を働く、ということが起こらないようになっています。

 

コレーター

コレーターとは
コレーターとは

コレーターはそれぞれのパラチェーンで活動します。パラチェーンの処理記録などをブロックに集め、それをバリデーターに渡すという役割を担っています。バリデーターに渡し、バリデーターの検証によりコレーターの集めた記録が記載されたブロックが承認されることで報酬をもらうことができます。

コレーターはパラチェーンで活動するため、インセンティブ設計などはそれぞれのパラチェーンで行われます。コレーターもDOTをステークしたり、ノードを立てる必要などがあるため、不正をすることなく行動するインセンティブがあります。

 

ノミネーター

ノミネーターとは
ノミネーターとは

ノミネーターは4つの役割の中で唯一、DOTを保有しているだけでなることができるため、最も数が多くなると予想されます。一般的に「ポルカドットをステーキングする」と言うと、ノミネーターになる、ということを指している場合が多いです。ノミネーターはバリデーターの選出を行うことで、ポルカドットネットワークのセキュリティ向上に貢献します。

ノミネーターは選出したバリデーターが不正を行ったり、罰則を受けたりするとノミネーターがステークしていたDOTも没収されてしまうため、不正を行わない信頼できるバリーデーターを選ぶインセンティブが働きます。また、受け取れる報酬はそのバリデーター1人を選出しているノミネーターの人数(厳密にはノミネーターのステーク額)で分配されるため、広く分散してバリデーターを選出するようになり(色々なバリデーターを選出するようになり)、一部バリデーターへの権力集中は回避することができます。

 

フィッシャーマン

フィッシャーマンとは
フィッシャーマンとは

フィッシャーマンは、ポルカドットネットワーク内の不正を監視します。フィッシャーマンもいくらかのDOTをステークします。不正を見つけた場合、報酬を得ることができますが、間違った判断をしてしまった場合にはステークしていたDOTを没収されてしまいます。そのため、正確に不正を見つけるというインセンティブが働きます。

以上が4つの参加者の役割です。

 

コンセンサスアルゴリズム

仮想通貨など、ブロックチェーン技術を基盤にして作られたシステムでは「コンセンサスアルゴリズム」と呼ばれる、「そのネットワークで何を正しい記録とするか」についての合意ルールがそれぞれにあります。

例えばビットコインでは、最も演算を早く行った参加者(マイナーと呼ばれます)が記録の作成者となる、というコンセンサスアルゴリズム「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」が採用されています。プルーフ・オブ・ワークでは、毎回のひとまとまりの記録ごとに記録作成者(確認者)が選出され、一つ前の記録に不正がないかなどを確認しながら記録が繋がれていくため、最終的に不正のない記録群として「ビットコインは不正がない」とされます。

他にも、例えば特定の運営者がいるブロックチェーンでは、特定の運営者が定めた参加者が記録の作成者になるなどして「不正のない正しい記録はこれです」という合意(決定)をします。

このように、コンセンサスアルゴリズムは非常にそのブロックチェーンネットワークの個性を表すとともに、セキュリティにも関わる重要なものです。ポルカドットでは、コンセンサスアルゴリズムにいくつかのシステムを採用することで、不正のない正しい記録について合意を取ります。

 

NPoS(ノミネイテッド・プルーフ・オブ・ステーク)

ポルカドットのコンセンサスアルゴリズムで採用されるシステムの一つは、「ノミネイテッド・プルーフ・オブ・ステーク(NPoS)」と呼ばれるアルゴリズムです。このアルゴリズムは、イーサリアムで今後採用される予定の「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」の変化形です。

プルーフ・オブ・ステークでは、そのブロックチェーンネットワークで発行される仮想通貨をステーク(預け入れ)している人(バリデーター)の中から記録の作成者が選ばれます。ネットワークにステークしているため、そのネットワークに不正があるとステークした仮想通貨の価値(価格)が下がってしまうことから、正しい記録を作成するインセンティブが生まれます。

NPoSでは、記録を作成するバリデーターをノミネーターが選出する、というさらに参加者を分散させるルールを取り入れることで、セキュリティを向上します。

バリデーターはノミネーターがステークしたDOTの数によって選出されますが、選出されたバリデーターはステークされた額が大きい人が強い権力を持つ、などはなく、平等に決定権を与えられます。また、先述したようにノミネーターは、自分が選出したバリデーターを選出している人が多いと受け取れる報酬が減ってしまうため、一人のバリデーターにノミネーターが集中するということはなくなります。

その結果、通常のPoSよりもバリデーターの権力が分散され、よりセキュリティが高まるとされています。

NPoSの他、最終的に選出バリデーターの2/3以上が正しいと判断したブロックは、覆されることのないブロックとして承認されるなど、ポルカドットでは独自のコンセンサスアルゴリズムを採用しており、正確に早く処理を実行できるとされています。

〜NPoSについて詳しく知りたい方はこちら〜

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以上、ポルカドットの仕組みについてわかりやく解説しました。深くまで知ろうと思うと、専門的な知識が必要になりますので、まずは概要を理解するところから始めるといいでしょう。

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