The DAOとは何だったのか

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「The DAO」というプロジェクトが仮想通貨の事を調べているとたまに出現します。「The DAOは失敗だった」というような言葉はよく聞きますが実際初心者の方にとってみれば「そもそもThe DAOって何だ?」という感じであると思います。今回はThe DAOについて初心者の方にも分かりやすく、概要を掴んでいただく為に解説をさせていただきます。きっと今後「仮想通貨」や「分散型システム」と付き合っていく上で大切な事を学べると思います。

 

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The DAOとは

 

まずThe DAOとは何なのか。The DAOとは「プロジェクト」です。このプロジェクトの参加等の為に利用される「DAO」は仮想通貨(トークン)です。「The DAO」というプロジェクト、「DAO」という仮想通貨(トークン)、というような使い分けがなされます。

 

プロジェクトと独自の仮想通貨が分けられているのはよくある事で、ビットコインではありませんがイーサリアムも分けられており「イーサリアム」=プロジェクト、「イーサ(ETH)」=仮想通貨というような感じです。

 

The DAOの名前の由来は「decentralized autonomous organization」の頭文字から来ています。

「分権的で(dicentralized)自主的な(autonomous)組織(organization)」という意味です。分権的というのはビットコインのように「非中央集権的」と言い換えられます。つまり、The DAOは非中央集権的で自主的な組織を目指したプロジェクトだと言えるでしょう。

 

The DAOの仕組み

 

続いてThe DAOの仕組みについてです。あまり技術的な事を書いても初心者の方にとっては混乱してしまう原因の一つになりかねないのでここでは大枠の仕組みをご説明させていただきます。

 

まず、The DAOのプロジェクトは「非中央集権で自主的な組織」を目指しているという事は先ほどご説明させていただきました。どのような形でそれを目指しているか、です。

 

The DAOは簡単に言うと「投資ファンドを非中央集権で行う」プロジェクトです。普通投資ファンドと言えば運営が広く投資家から資金を集めて、運営が投資先を決め利益が出た場合その配当を投資家に配分するというもの。

 

しかしThe DAOはその資金集めをする運営、投資先を決定する運営がいません。それらはスマートコントラクトという技術やブロックチェーンという技術により広くから資金を集め、DAOという独自トークンを保有するその投資家たちによる賛成を得る事で投資先を決定していきます。

 

The DAOプロジェクトの概要を簡単に説明するとこのようになります。

 

そしてThe DAOで利用される「資金」は現行通貨ではありません。「イーサリアム」の「イーサ(ETH)」により資金が集められ、そして投資がなされます。(イーサリアムとは⇒イーサリアムとは)それは現在のビットコインでモノやサービスが取引がされるイメージと同様です。

 

The DAOはそもそもイーサリアムのシステムの上に構成されております。イーサリアムはスマートコントラクトのプラットホームですのでイーサリアムを利用したサービスの一つがThe DAOという事です。ここら辺の仕組みについては技術的な事も含まれてしまうので今回は省略します。

 

夢の詰まったThe DAO

 

さて、非中央集権の投資ファンドだったThe DAOですがこれは発表当初はかなり革新的でした。(今でも革新性は高いですが)

投資ファンドのような中央集権で動く組織をブロックチェーン技術、しかもほぼパブリックな形で民主主義的に動かせるなんてことは今までありませんでした。組織というのはトップがいて成り立つのが一般的な考え方です。その概念が覆る可能性を秘めたThe DAOというプロジェクトに人々は熱狂していました。これが成功すれば世界中の「組織」の概念が根底から覆る可能性があったのです。

 

しかもThe DAOは単なる投資ファンドとは少し異なる性質も持っておりました。それは提案したビジネスの収益を還元するという事業モデルとしての性質です。事業に投資をし、(仮想通貨のスマートコントラクトを利用した事業)収益の何%かをバックするというモデルでした。つまり普通の株式投資ファンドとは少し異なります。

 

ここで大切なのはこのビジネスモデルが民主主義的な投票によって決められる事で成功に持っていくことはできるのか、という事です。一般的なトップダウンの組織ではトップの技量が最も試される場所です。この「投資先の決定」は重要な意味を持ちます。投資先が吉と出るか凶と出るかによって皆の資産の増減が決まります。つまりThe DAOが成功するとすればこのような重要な決定も「民主主義」的解決で良いとされ、現存の組織に亀裂が入るのです。

 

このような理由からとても注目を浴びました。

 

The DAOの失敗

 

しかし、The DAOは結果的に失敗に終わりました。理由はThe DAOの脆弱性をつかれたことによります。結果論ですが、非中央集権的な「組織」というのは現在では「可能ではない」という事になりました。

 

一部ではThe DAOの脆弱性をつかれたのを「イーサリアム」の脆弱性がつかれたとの報道もされましたがこれは誤解です。ビットコインで言う「Mt.GOX社のビットコイン流出」でメディアが「ビットコインシステムが攻撃された」と報じたのと同じです。あくまでも攻撃されたのは「The DAO」であり「イーサリアム」本体の脆弱性によるものではありませんでした。

 

結局技術的な面から非中央集権組織の夢は一旦消えました。しかし、あくまでもThe DAOが失敗しただけでブロックチェーンや仮想通貨、スマートコントラクトが失敗したのではない、という事を私たちは認識するべきでしょう。

 

The DAOから学ぶべきこと

 

The DAOから学ぶべきことは沢山あったように思われます。私たち利用者にとっては仮想通貨というものの投資における危険性です。The DAOは取引が開始される前からとても多くの資金を調達しました。100億円以上もの資金の調達をわずか数週間で達成し、かなり話題になりました。しかし攻撃によりあという間にその資金は泡となりました。ここに仮想通貨という新興市場の怖さはあります。いくら多くの金額を集めても一瞬にして消え去ります。プロジェクトが素晴らしくても技術的な面で失敗することも多々あります。

 

つまり仮想通貨の投資は消えても良いと思えるほどその投資に惚れていなくてはリスクがリターンに勝ってしまうと私は考えております。(仮想通貨の危険性について詳しくはこちら⇒仮想通貨の危険性について

 

しかし、The DAOの失敗は悪い事ばかりではありません。ブロックチェーンやスマートコントラクトといった技術の台頭により「組織」のあり方に考えを巡らせてくれました。確かにThe DAOは失敗に終わりましたが非中央集権の組織が誕生するのは時間の問題だと皆に教えてくれました。

 

インターネットがこれほど普及をして、更に非中央集権の通貨(ビットコイン)ができ、非中央集権の組織がある世界は誰も経験したことのない世界です。そこで起こる事にどう対処すべきか自身で考えておく必要があるのではないでしょうか。

 

まとめ

 

The DAOについては私も面白く見ておりましたが、やはり世界は刻一刻と変わっている事を感じさせられました。今後、分散型の世界が訪れるのかそれとも今まで通りの中央集権の世界のままなのか、どうなるのかは誰にも分かりませんが一つ言えるのはビットコインという分散型の金融システムは徐々に世界で広まっているという事です。

 

個人で考え方は異なると思いますのであえて分散型の思考になる必要はありませんがビットコインのような分散型システムが成り立つ仕組みを学ぶだけでも為になると思います。是非ご興味のある方は情報を収集したり、実際にビットコインを扱ってみたりしてください。きっと面白いと思います!!

 

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