仮想通貨を安全に保管できるハードウェア型のウォレット「TREZOR」を利用してイーサリアムを保管する方法・取り出す方法を解説していきます。イーサリアムの保管には「MyEtherWallet」というイーサリアムウォレットサービスを利用します。
TREZORの初期設定
あらかじめTREZORの初期設定を終わらせておくとスムーズにTREZORにイーサリアムを保管する事ができます。TREZORの初期設定方法はTREZORの使い方① <開封時の注意点・初期設定>を参考にしていただければと思います。
また、これらの操作を行う時は安全な接続ネットワーク環境・ウイルスに感染していないパソコンを使用してください。脆弱な環境下では保管した仮想通貨が盗まれる可能性があります。確認を行ってから利用するようにしましょう。
TREZORにイーサ(ETH)を保管する方法
TREZORにイーサリアムの通貨「イーサ(ETH)」を保管する場合はMyEtherWalletというイーサリアムウォレットサービスと連携します。
MyEtherWalletは無料のイーサリアムウォレットサービスで誰でも簡単に利用する事ができます。
TREZOR公式から接続する
TREZORの公式HPにアクセスをします。(https://trezor.io/)
右上部の「Wallet」を選択します。
この画面でTREZORをUSBポートに接続します。
PIN入力画面に移るので端末に表示されるPINコードをパソコンで操作します。
入力が成功するとTREZOR操作画面に移ります。
右上部の通貨選択で「Ethereum(ETH)」を選択します。
「Go to MyEtherWallet」を選択し、MyEtherWalletに連携します。そして下記の説明に続きます。
MyEtherWalletから連携する
MyEtherWalletからTREZORの操作を行う場合は上記の操作を省略する事ができます。(MyEtherWallet.com)
トップ画面から「お財布情報を見る」を選択します。ちなみにTREZORから操作を行っている場合でもこの「お財布情報を見る」を選択する事でイーサ受信画面に移ります。
「TREZOR」を選択します。
「TREZORに接続する」を選択します。
このような画面が表示されるのでUSBポートにTREZORを接続します。(TREZOR公式から接続している場合はそのままでOKです)
TREZORアカウントに接続します。「Export」を選択してください。
PIN入力画面に移りますのでTREZOR本体に表示されたコード順に入力していきます。入力方法は当記事の「TREZORから接続方法」のPIN入力方法を確認してください。
利用したいアドレスを選択します。表示されているアドレスはTREZORで生成されているアドレスでどれを使っても大丈夫です。また「HD derivation path」は「m/44'/60'/0'/0」に設定してください。これはTREZORでイーサリアムの通貨「イーサ(ETH)」を操作する設定です。
「お財布をアンロック」を選択します。
アドレス手入力かQRコード読み取りでアドレスを指定する事でイーサリアムをTREZOR内に保管する事ができます。
また、送信したイーサリアムの状況は「トランザクション履歴」で確認する事ができます。
同様の手順(「お財布情報を見る」)でTREZOR内に保管しているイーサの状況を確認する事ができます。
スポンサー
イーサリアムをTREZORから取り出す
イーサリアムをTREZORから取り出す場合(TREZORからイーサを送信する場合)もTREZOR公式からかMyEtherWalletからMyEtherWalletとTREZORを連携する事で行います。
連携手順は上記「保管する方法」と同様です。
「Ether/トークンの送出」を選択し「アドレス」「数量」を指定します。
ガスリミットとは
「ガスリミット」とは送金処理(マイナーに支払われる)手数料です。ガスリミット21000(取引の手数料)×ガス価格30Gwei(指定可能 1Gwei=0.000000001ETH)なのでこの場合は0.000063ETHが手数料になります。
ただ、MyEtherWalletでイーサを送信する時は0.01ETH以上の保有イーサが必要です。使わなかった手数料は返却されます。
「トランザクションを生成」を選択します。
パソコン画面ではこのような表示が出ます。
TREZOR端末で取引の内容を確認し「Confirm」を選択します。
次にTREZOR本体で手数料の確認が表示されます。ここでも「Confirm」を選択します。
するとMyEtherWallet上に未加工トランザクションと署名済みトランザクションが表示されますので「トランザクションの送出」を選択します。
トランザクションとは取引データのようなものでこれがイーサリアムネットワークに送信される事で、マイナーによりイーサリアムブロックチェーン上に記録してもらう事ができます。
最後に確認画面が表示されますので「はい、確かです。処理を実行します。」を選択してイーサをTREZORから送信・取り出す事ができます。
TREZORとMyEtherWalletが接続できない場合
TREZORとMyEtherWalletが接続できない事があるとのご報告がいくつか上がっているのでこちらにて問題解決の糸口になればと解説をさせていただきます。
TREZORとMyEtherWalletが接続できない場合の問題点はいくつかありますが報告のあった
「TREZOR Connect needs the TREZOR Bridge to communicate with your device. Please install the tool from TREZOR Wallet and try again.」
という表示にてTREZORの中身が見れない、イーサが送金できない(取り出せない)場合はTREZOR Bridgeというソフトをインストールする事で解決する事ができる場合があります。(筆者実践済)
https://wallet.trezor.io/data/bridge/latest/index.htmlこちらのTREZORが提供するTREZOR Bridgeインストール画面にアクセスしお手持ちのOSバージョンでのインストールを行うと接続できるようになる場合があります。
<TREZOR Bridgeインストール画面>
TREZORはバージョン変更によりGoogle Chrome拡張ソフトでの接続を順次廃止していきBridgeというソフトを利用する事を発表しています。その為Bridgeをインストールしておかないと利用できないものが今後出現していく可能性があります。
またBridgeは現在(2018年3月12日)第二弾アップデートが終了していますが今後アップデートが行われればインストールしたBridgeもアップデートしなければならなくなる可能性がある事を知っておくと良いと思います。なお、全ての環境下での対処法を実践しているわけではないのでBridgeをインストールしても接続ができない場合があるかもしれませんのでご了承ください。
関連記事
イーサリアムウォレット「MyEtherWallet」の使い方