ビットコインやブロックチェーンの「トラストレス」とは?Web3.0にも関わる非中央集権システムをわかりやすく解説!

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ビットコインは中央管理不在(特定の運営者がいない)のシステムです。そのため、ビットコインは「トラストレス(trustless)」「信頼のおける第三者を必要としない」と言われます。しかし、ビットコインを考えた人はいますし、ビットコインを稼働させるために必要なマイニングを行う組織も存在します。それらの参加者の動きを信用しているからビットコインを使っている、ということから「トラストレス」の意味がわかりづらくなっています。

参加者がたくさんいるにも関わらず、ビットコインがなぜ「トラストレス」と言われるのか、そしてトラストレスとは何か、トラストレスのメリットをわかりやすく解説します。

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トラストレスとは

ビットコインやブロックチェーンで「トラストレス(trustless)」は、「信頼する第三者が必要ない」という意味で使われることが一般的です。

この言葉だけを聞くと、何も信頼しなくてもいい、という意味にも取れてしまいますが、もちろん何も信用できなければビットコインを利用することはできません。ビットコインが正常に動くことを信用しているからこそ人々は送金に利用するのであって、「トラストレス」は「何も信用しない」ということではありません。

では、トラストレスとは何がトラストレスなのでしょうか?

トラストレスとは、そのシステムを構築している人物や組織が、どのような素性なのかを知らなくてもシステムを信頼できる、ということです。例えばビットコインでは、ビットコインの開発者や、ビットコインのマイニングを行う人(取引の検証を行う人)が悪い人なのか良い人なのかについて何も知らなくとも、システムを信頼して使うことができる、というのがビットコインで言われる「トラストレス」です。

 

ビットコインのトラストレスの仕組み

トラストレスをより深く知るためには、トラストレスなシステムとトラストレスではないシステムを比較するといいでしょう。ここでは代表例として、銀行の送金システムとビットコインを比較をします。

銀行の送金システムでは、送金を安全に執行する第三者(仲介者)、つまり銀行が必要です。銀行を信頼し、銀行が自分のお金を相手に確実に届けてくれる、と信じることができるから送金を依頼することができます。

つまり、私たちは銀行をトラストしており、それによって送金が成り立っています。基本的に私たちはどのようなサービスでも利用する際に、自然と仲介者が信頼に値するかどうかを判断して使っています。銀行をほぼ無条件に100%信頼することで、銀行を利用することができるようになります。皆が使っているから、国から免許を受けて営業しているから、店舗がたくさんあるから、などの情報から信頼します。実際に行う送金についての内情を知ることはできず(知る必要もなく)、送金のシステムを確認することもできません(銀行は全てを開示する義務もありません)。

このようにトラストレスでない銀行送金サービスは、どこかの組織や個人を無条件に信頼することで成り立っています。そのサービスの提供者である銀行内の誰かが不正を働いても、それを組織ぐるみで隠すこともできてしまい、とにかく信頼するほか無いのです。サービスを利用するかどうかは信頼に値するかどうか、です。

しかし、ビットコインはトラストレスなシステムなので、そのような無条件の信頼は必要としません。

・取引履歴を誰でも確認できる

・コードを誰でも確認できる

・参加者が不正を働けない

・参加者が不正をするインセンティブがない

これらの理由から、無条件にサービス運営者(参加者)を信頼する必要がないトラストレスなシステムになっているのです。

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取引履歴の公開

ビットコインでは取引履歴が公開されています。そのため、自分のビットコインが誰に送られたのか、その状況(届いたのかなど)を常にチェックすることができます。

しかも、その取引履歴は改ざんすることができないため、ビットコインを送ったはずなのに誰かによって履歴を改ざんされ、なかったことになってしまう、などは起こりません。そのため、無条件に第三者を信頼せずとも、自分の管理の元でビットコインを送ることができるのです。

 

コードを誰でも確認できる

ビットコインではコード、つまりシステムのプログラムが公開されています。そのため、どのような仕組みでビットコインのシステムが動いているのかを確認することができます。このようなコードが公開されたシステムを「オープンソース」と呼びます。

オープンソースのシステムでは、無条件に第三者を信頼する必要がありません。なぜなら、そのシステムがどのように動くよう設計されているのかを目視することができるためです。もしそのコードが誰かによって書き換えられても(そのようなことは起こりませんが)、自分で確認することができるため、安心して利用することができます。

 

参加者が不正を働けない

ビットコインでは、取引履歴が公開されていることや、その取引が正当なものかどうかの確認を参加者全員で決めるというルールがあるため、一人の参加者が不正を働いてビットコインに悪さをすることができません。

無条件に信頼をしなければならない、トラストレスではないサービスでは、権限が誰か一人に集中してしまうことがあります。その人が不正を行えばシステムに悪さをできてしまいます。しかしビットコインは全員で管理し、全員が確認できる状態に常になっているため、一人の参加者が不正を働く、ということはできないようになっています。

 

参加者が不正をするインセンティブがない

そもそも、ビットコインでは参加者が不正を行うインセンティブがありません。というのも、ビットコインで取引処理などを行う参加者(マイナー)は報酬としてビットコインを受け取るためです。万が一ビットコインのシステムが正常に稼働しなくなれば、その報酬として受け取ったビットコインの価値がなくなってしまいます。

そのため、そもそもビットコインで不正を行うインセンティブがありません。インセンティブがないので不正を行う人もごく限られていて、さらに公開された履歴やコードによってトラストレスなシステムが作られているのです。

〜マイナーの報酬の仕組みについてもっと知りたい方はこちら〜

ビットコイン「マイニングの報酬」の仕組み

 

プライベートブロックチェーンはトラストレスではない

ビットコインがトラストレスなシステムのため、ブロックチェーンを利用したサービスはトラストレスと勘違いされます。しかし、ビットコインのブロックチェーンは「パブリックブロックチェーン」と呼ばれ、誰でも参加可能な公開されたブロックチェーンですが、「プライベートブロックチェーン」と呼ばれる特定の管理者(例えば企業など)が運営する、公開されていないブロックチェーンで開発されたサービスはトラストレスではありません。

パブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーンの異なる部分の一つに、すでに述べた経済的インセンティブの仕組みがあります。

ビットコインのような誰でも参加できるパブリックブロックチェーンには、上記であげた経済的インセンティブ(またはそれに準ずるルール)があり、それがブロックチェーンの過去取引における改ざん不可能性を実現しています。

しかし、プライベートブロックチェーンでは、そのような経済的インセンティブが大きな力を持つ事は稀です。というよりも、このような仕組みそのものが必要ありません。なぜなら「プライベート」なので管理者が存在し、最悪の場合は改ざん(修正)できた方がいいという考え方によって作成されるのが一般的だからです。

そのため、ブロックチェーンを利用したサービスでもトラストレスではなく、従来のシステムをコスト削減しただけ、という場合が多いのも事実です。

 

トラストレスが生むWeb3.0の革新性

トラストレスは以下のメリットを生み出します。

・仲介者の不在による仲介手数料削減

・データを仲介者へ渡さずにサービス利用が可能

・仲介者の不正の心配がない

これらのメリットがあり、これはWeb3.0とも呼ばれる新しいWeb世界の基盤となると言われています。

現在のGAFAなどの巨大インターネット企業が支配する世界では、そのインターネット企業をトラスト(無条件に信頼)することで私たちはサービスを利用することができます。しかし、現在の仕組みではそれらのインターネット企業(従来の銀行なども含め)がユーザーの行動データ、個人情報などを管理することになります。

それらのデータは、私たちは提供するしかないのが現状です。しかしビットコインをはじめとするパブリックブロックチェーンを利用した、トラストレスなサービスは、自分のデータ管理を自分たちで行うことができます。

これがWeb3.0と呼ばれるWeb世界で、「ポルカドット」などのプロジェクトが実現しようとしています。

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以上、ビットコインやブロックチェーンのトラストレスを、わかりやすく解説しました。ビットコインから始まった仮想通貨、ブロックチェーンは新たな時代を切り開こうとしています。ぜひ、興味のある方は深くまで調べていただければと思います。

 

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