量子コンピューターが仮想通貨を破壊するとはどういう事か <初心者向け>

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量子コンピューターが仮想通貨を破壊してしまう、という話があります。量子コンピューターが仮想通貨を破壊するとはどういう事か、初心者の方にも分かりやすく解説をしていきます。

 

 

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量子コンピューターとは

量子コンピューターとは直観的に言えば「超高性能コンピューター」の事を言います。現在利用されているスーパーコンピューター(スパコン)と呼ばれる計算能力の高いコンピューターの1億倍の計算能力があると言われています。

 

なぜそのようなコンピューターが実現しそうなのか少しだけ詳しく言えば、現在のコンピューターで利用されている「論理ゲート」と呼ばれるものではなく「量子ゲート」と呼ばれる方式など(いくつかの方式で研究が行われています)を利用して開発されているので超速で計算を行う事ができます。今までできなかった開発が研究の成果により可能になってきているという事です。

 

量子コンピューターの性能があると例えばAI(人口知能)に応用することができ、より有用なAIの開発が可能になるなどの展開があります。

 

量子コンピューターが仮想通貨を破壊するとは

そんな量子コンピューターですが、「誕生すると仮想通貨を破壊できてしまうのでは」と言われています。

これがどのような事なのかを理解する為にまずは仮想通貨の仕組みを少しだけ知っておくことが必要です。

 

仮想通貨=暗号通貨

仮想通貨は暗号通貨とも言われます。英語で仮想通貨(暗号通貨)はcrypto currencyと言いますがcrypto=暗号 currency=通貨と訳す事ができます。つまり英語を直訳すると「暗号通貨」となります。

 

なぜビットコインなどの仮想通貨に「crypto」という単語が用いられているかと言えばそのシステムの根本に「暗号技術」というテクノロジーが用いられているからです。暗号技術とはとても簡単に言ってしまうのであれば「情報を第三者に分からないようにする」技術の事を言います。

インターネットが普及して様々な情報を交換する現代ではとても重要な役割を担っています。あなたがネットショッピングを行う時に個人情報をネットで送信してもショップ以外の第三者に個人情報が盗まれる事が無いのも暗号技術のなせる業です。

 

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暗号技術と一口に言っても様々なものがありますが仮想通貨、特にその最初に発明されたビットコインでは「公開鍵」「秘密鍵」と呼ばれる「鍵暗号」の技術がシステムの根本にあります。

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公開鍵・秘密鍵とは

ビットコインの送受信では公開鍵と秘密鍵と呼ばれる鍵暗号のペアが用いられます。簡単に理解する為に銀行口座に例えて言えば公開鍵は「全員に公開しても問題無い口座番号」で秘密鍵は自分しか知らない「送金の際に利用する暗証番号」のようなものです。

 

ビットコインを送金する時は公開鍵に秘密鍵で署名(電子署名と呼ばれます。ビットコイン「秘密鍵」の「電子署名」とは)する事で送金を行います。ビットコインと公開鍵は紐づけられていて預金口座のようになっています。

自分しか知るはずのない秘密鍵によって確かに自分が送金jを行っていると証拠づける事ができます。逆に秘密鍵が第三者に知られてしまうと公開鍵と秘密鍵を利用してビットコインを勝手に送金される事になります。

公開鍵と秘密鍵にはこのような役割があるのです。

 

公開鍵と秘密鍵の生成

秘密鍵は誰かに知られてしまうとその公開鍵に紐づけられているビットコインを送金されてしまいます。その為秘密鍵は他の誰も知らない事、そして基本的には秘密鍵と公開鍵は一つのペア(対)になっている事が大切です。(厳密には1対1のペアでない場合もありますがここでは省略します)

 

その為まず秘密鍵は誰も予測できないランダムな文字列を生成する事で作られます。コンピューターによって行われるので誰も予測できません。そして秘密鍵が出来上がったらそこから公開鍵を作成します。

しかし、公開鍵は全員に公開されるので公開鍵から秘密鍵を割り出せてしまっては「秘密」鍵にはなりません。その為公開鍵から秘密鍵は割り出せないようになっています。

 

<秘密鍵からECDSAという計算を利用して一方通行に公開鍵を作成>

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(参考:ビットコインアドレスとは?<仕組みと取得方法>

 

ここで「割り出せない」というのは「割り出す為に時間が膨大にかかる」という意味で実際に長い年月を行えば割り出す事は可能です。つまり現在利用されているコンピューターでは割り出せない、という事です。

 

量子コンピューターが暗号を破る

ここで量子コンピューターによって公開鍵から秘密鍵を割り出す計算をします。通常時間がかかりすぎて割り出せなかった秘密鍵が1億倍とも言われる量子コンピューターを利用すれば割り出せる可能性が出てきてしまうのです。

 

「公開鍵」は全員に知れて良いもの「秘密鍵」は自分しか知らないものという前提で取引を行ってきたビットコインやその他の仮想通貨は量子コンピューターの誕生によって前提を覆されてしまうのではないか、と言われています。

 

実際、その可能性は大いにあります。ビットコインやその他の仮想通貨は暗号技術がセキュリティの大きな部分を占めているので暗号技術が破られれば存続は難しいでしょう。ただし、量子コンピューター耐性のある仮想通貨の開発も徐々に進んでいます。それらが成功するかどうかは分かりませんが、量子コンピューターの誕生によってブロックチェーンを含めた全ての仮想通貨テクノロジーがダメになってしまうというよりはブロックチェーンも量子コンピューターも含めた最新テクノロジーが融合する事で新たな社会が誕生すると考えます。

 

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