仮想通貨取引をする場合、注文方法に「成行注文」という注文方法があります。成行注文について初心者の方にも分かりやすく解説をしていきます。
成行注文とは
成行注文(なりゆきちゅうもん)とはトレードをする際の注文方法の一つです。
仮想通貨をトレードする際に価格を指定せずに注文を出し、その時に最も安い(売りの場合は最も高い)金額で出ている注文と約定(やくじょう。取引成立)します。
例えば仮想通貨取引所でビットコインの注文板が以下のようなものだとします。
<注文板の例>
(画像:bitbank.ccより)
ここで0.01BTC(ビットコインの単位)の「買い」の成行注文を出した場合は最も安い売り注文である「1,885,468円」と約定する事になります。
しかしあなたが数量を0.01BTCと指定していた場合、この注文板では1,885,468円の売り注文では左に表示されているように0.0026BTCしか注文が出されていません。その為0.01BTC-0.0026BTC=0.0074BTCはその次に安い売り注文である「1,885,591円」のレートで約定する事になります。
このように注文を出した数量(例では0.01BTC)が全て約定するまで注文板に表示されている安い売りから順番に約定していく事になります。
スリッページ
また、成行注文で許容できる変動幅を設定できる「スリッページ」という機能がある事があります。スリッページは成行注文で約定する価格の変動幅を円単位などで設定するもので設定値以上の場合は約定しないようにする事ができます。
ただし設定をしている場合は約定しないで注文が流れる事もありますので注意して設定しましょう。
スリッページについて詳しくはこちらの記事スリッページとは <初心者の為の仮想通貨投資トレード用語解説> GMOコイン・DMM Bitcoinを参照ください。
スポンサー
成行注文を出すメリットデメリット
メリット
必ず既に注文板に出ている注文と約定する為「約定せずに流れてしまう」という事がありません。
その為成行注文は確実に買いたい(売りたい)場合に出す注文方法であると言えるでしょう。
デメリット
注文板に出ている注文からしか約定しない為「なるべくお得に買いたい(売りたい)」場合には向いていません。
また注文を出す時に価格暴落・急騰してしまうと想像以上に不利な金額で約定してしまう可能性があるので注意が必要です。
テイカーとメイカー
取引にはテイカー(Taker)とメイカー(Maker)という2者が存在します。テイカーとは注文板に既に乗っている注文で成立させた者、メイカーとは注文板に新たな注文を載せその後誰かと約定した者です。
<注文板の例>
(画像:bitbank.ccより)
つまり上図に表示されている注文を出している人は全てメイカーとなります。
成行注文はテイカーにしかなりません。テイカーとメイカーで発生する売買手数料が異なる仮想通貨取引所もありますのでご注意ください。
<手数料比較>
取引所名 | 取引所手数料 | 販売所手数料 |
---|---|---|
Zaif | (M)-0.05%(T)-0.01% | 0% |
bitFlyer | 0.01%~0.15% | 0% |
DMM Bitcoin |
0% | - |
bitbank.cc |
0% | - |
QUOINEX | 0% | 0% |
BITPoint |
0% | - |
BTCBOX | 0% | - |
GMOコイン |
- | 0% |
みんなのビットコイン | 0% | - |
BIT Trade |
0.2% | - |
FISCO | 0% | 0% |
SBIバーチャルカレンシーズ | 未定 | 未定 |
coincheck(停止中) | 0% | 0% |
※取引手数料はビットコイン現物取引 ※(M)メイカー(T)テイカー ※更新日時により情報が遅れている場合があります。(最終更新2018.2.05.)
成行注文と指値注文
仮想通貨取引の基本は「成行注文」と「指値注文」です。指値注文との違いを理解し使い分ける事でより利益が出しやすくなるでしょう。ただし仮想通貨は急な価格変動が起こりやすい投資対象ですので成行注文を出す際は特に注意しましょう。
<成行注文と指値注文の違い早見表>
成行注文 | 項目 | 指値注文 |
---|---|---|
テイカーのみ | マーケット | メイカー・テイカー |
× | 価格指定 | 〇 |
〇 | 数量指定 | 〇 |
すぐに約定 | メリット | 価格指定可能 |
価格指定不可 | デメリット | 約定しない可能性 |
関連記事
ストリーミング注文とは 成行注文との違い <初心者の為の仮想通貨投資トレード用語解説>
仮想通貨FXとは <外為FXとの違い・スワップポイント・ロスカット・追証>